通 称 | |
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鎮座地 | 高知県吾川郡仁淀川町土居甲907番地 |
旧社格 | 郷社 |
本務兼務の別 | 兼務 |
氏子数 | 306世帯 580人 |
神職数 | 2名 |
宮 司 | 片岡 政徳 |
選定理由 |
・池川神社は、元は池川郷(後に池川村土居→池川町土居→仁淀川町池川土居地区)の産土神社として祀られてきた。 安部肥前守藤原宗春らが建久2年(1191)に当所に移り、同5年に神社を勧請してきたとされる。明治3年「池川神社」に改称され、同5年には、社格を郷社に定められた。 ・毎年11月23日(新嘗祭)に行われる秋季大祭では、国指定重要無形民俗文化財の「池川神楽」が奉納されている。普段は静かな山間の村も神楽笛や太鼓などの音色に引き寄せられるかのように、多くの参拝者が訪れ賑わいを見せている。 ・池川神楽は、社家安部家を中心に継承されてきた神楽で420年以上の歴史を持つとされる。現在、「池川神楽保存会」(会長 馬詰正・会員数13名)が、神楽の伝承・奉納を担っている。(片岡宮司も在籍)池川神社のみならず町内各神社での神楽奉納や県内外で行われる催しの参加、また北海道北見市の有志団体「北見池川神楽保存会」への神楽指導など、積極的に活動している。 ・宮司である片岡政徳氏は氏子総代会はもちろん、仁淀川町、仁淀川町商工会、仁淀川町観光協会、地元の小中学校などの町内各団体と連携し、神楽の活動を通じて教化活動を行い、町の夏祭りや各地のイベントに参加、また小中学校では神楽の指導(文化祭などで発表)や、商工会青年部との共催による催し「桜神祭」では、他の神楽等との共演を企画するなど、躍進的に活動をしている。また、池川神社禰宜の片岡孝裕氏も神楽保存会に所属され、若い世代への指導に努めている。 しかしながら、そうした活動の一方で、仁淀川町の人口減に伴い氏子数も減少しており、特に氏子の高齢化が著しい。平成27年の国勢調査では、市町村別の高齢化率で全国10位(53.9%)である。特にこの池川地区(旧池川町)の高齢化率は58.3%(令和3年2月)であり、昭和50年代での神楽は10社ほどで奉納されていたが、周辺神社の氏子世帯数が一桁まで減少し例年の祭祀行事を行うのが厳しくなり現在では池川神社のみである。 ・現在では、祭祀祭礼が行われても高齢者世帯のみの出席となり、次世代への継承が困難である。また、神社護持においても神社の清掃を始め木々の枝打ちや間伐など周辺の環境整備を実働できる若い世代がおらず過疎高齢化が進む中厳しい課題となっている。 ・昭和の時代、池川地区では秋の大祭は「お神祭(おじんさい)」と呼ばれ、午前は祭典、午後には神楽が奉納されるのが慣例であった。当地域の神社は40社程度鎮座しており、内10社程の大きな神社には、四本柱を備えた舞殿(二間四方)があり、毎年神楽奉納が行われ、多くの氏子が神社で一日を過ごすのが主であった。 ・「お神祭」の当日までに、氏子は社殿や境内の清掃、のぼり立てや祭典の準備を行う。神楽が奉納される場合は、天井まで届くような大榊を四本柱に結わえ、張った注連縄に紙垂を付ける。四方には「切抜」を貼り、舞殿を整える。 ・「お神祭」の当日は、神社にある囲炉裏で里芋や豆腐の田楽が当番によって焼かれ始める。祭典が始まる頃には氏子や帰郷者などが集まり出す。祭典が終わると神楽が始まり、その頃には田楽などもでき上がり参拝者に配られ、御神酒を食しながら神楽を楽しむのである。神楽の舞の中で、鬼神(ダイバン)が舞殿狭しと参拝者を笹束で叩いたり、子供を抱いたりして見る者を沸かせる場面がある。子供が必死に逃れようと泣き叫ぶ姿を見て、親や家族が喜ぶ光景もまた一興である。その後に餅がまかれ、大人や子供等が一緒になって懸命に拾う姿をみて、以前「餅を拾う時の心持ちで神さまを拝むこと」と諭されたことがあった。「お神祭」を通じて、若い世代に伝え繋げてゆく教えであったと思う。 ・「ダイバンが怖かった」「田楽が美味しかった」「餅拾ひが楽しかった」こういった経験ができることも参拝するきっかけの一因になると思われる。 ・祭典と神楽を一体とした「お神祭」を行うことで、過疎地域神社活性化推進施策の主となる祭祀の振興・神社の振興、そして地域の活性化に繋がると考える。そこで、周辺の神社祭祀祭礼の際に、国指定重要無形民俗文化財の「池川神楽」を奉納し、氏子はもちろんのこと郷里を離れた世帯などにも呼びかけ、若い世代が参加しやすい環境を整えることで、次世代でも賑わいのある祭祀行事を継続する事業としたい。 |
神社の由緒と概要 |
・池川神社は、元は池川郷(後に池川村土居→池川町土居→仁淀川町池川土居地区)の産土神社として祀られてきた。安部肥前守藤原宗春らが建久2年(1191)に当所に移り、同5年に神社を勧請してきたとされる。明治3年に「池川神社」と改称され、同5年には、社格を郷社に定められた。また、池川神社の社紋は「土佐柏」が使用されているが、これは当神社が代々、国守の武運長久の祈祷所として奉仕してきたことから、天保年間に土佐藩主山内豊資の赦しを得たことによる。 ・毎年11月23日に行われる秋季大祭では、池川神楽を奉納している。 ・池川神楽は、社家安部家を中心に継承されてきた神事芸能で13演目からなり、詞章は記紀に因るものである。古文章の記述から文禄2(1593)年頃には完成されており、420年以上の歴史を持つとされる。 |
年間の祭祀祭礼・行事予定 |
歳旦祭(1月1日)、 須賀神社合神祭(3月7日)、大祓祭(6月30日)、夏季大祭(7月9日)、秋季大祭(11月23日)、大祓祭(12月31日) |
活動方針(将来の展望) |
・氏子の高齢化・過疎による減少化が著しい周辺神社を選定し、祭祀祭礼には神楽の奉納を行う。 ・若い世代が参加しやすい環境づくりを目指し、地元の「お神祭」の御神酒や田楽などを振る舞う佳き文化を伝へ参加してもらひ次世代に繋げたい。 ・3年間中学生に神楽の舞を体得させ、最後の年には池川神社で神楽を奉納してもらうことにより、地元の神楽の伝承・奉納はもとより、他の地域の神楽などと協力し、氏子はもちろんのこと郷里を離れた世帯などにも呼びかけ、次世代でも賑わいのある祭祀行事を継承する活動としたい。 |
活動計画 |
1年目 ・中学生に神楽の指導。 ・周辺神社を選定し、祭祀祭礼には神楽の奉納を行う。 ・指定神社の氏子・離郷者に連絡を取り、若い世代の参加を呼びかけ「お神祭」を行う。 2年目 ・中学生に神楽の指導。 ・周辺神社を選定し、祭祀祭礼には神楽の奉納を行う。 ・指定神社の氏子・産子・離郷者に連絡を取り、若い世代の参加を呼びかけ「お神祭」を行う。 3年目 ・中学生に神楽の指導。 ・池川神社秋季大祭において、中学生による神楽の奉納を行う。 ・指定神社の氏子・産子・離郷者に連絡を取り、若い世代の参加を呼びかけ「お神祭」を行う。 |
無形民俗文化財指定 |
土佐の神楽 池川神楽保存会 池川神楽奉納―国指定重要無形民俗文化財・高知県指定無形民俗文化財・仁淀川町指定無形民俗文化財 https://www.kochinet.ed.jp/bunkazai/details/300-1/300-1-m02-4.htm |
備 考 | 第2期過疎地域神社活性化推進施策【施策1】指定神社(令和3年~令和6年6月末日) |
(令和5年2月現在) |