過疎地域神社活性化への取り組み

広島県神社庁 三次支部

令和6年05月29日

 

推進拠点

広島県神社庁 三次支部

推進拠点鎮座地

広島県三次市三良坂町灰塚10-12

推進拠点

支部長名・宮司名

佐々木 潔
支援対象 神社

太歳神社

宗像神社

支援対象 神社宮司

小原 広教

佐々木 潔

選定理由

三次支部のある三次市は、人口減少が続く高齢化率35%の過疎地域であるが、人口は5万人で隣接の庄原市と並ぶ県北部の拠点都市。三次支部は神職36人で構成され、佐々木支部長を中心に結束の固い支部である。

支援対象となっている太歳神社が鎮座する比熊山には、江戸時代から「妖怪伝説(稲生物怪録)」が伝わっており、その縁で一昨年(平成31年)近くに市立の『三次もののけミュージアム』がオープンした。既に仮装した参加者がミュージアムから神社まで練り歩いてお参りする「仮装百鬼夜行」等の行事も行われている。

一方の宗像神社は、平成16年に完成した「灰塚ダム」の建設に伴って水没した300の住宅とともに近くに移転建立された神社で、隣地には国の重要文化財『旧旛山家住宅』も移築された。この地域には「さんようづき」と呼ばれる亥の子祭りや花田植え等が伝わるが、集落の水没に伴って祭りが途絶えており、神社や旧旛山家住宅を舞台として、これら古くから伝わる祭事の復活が望まれている。

ともに行政指導で集客力のある施設が既に建設されており、支部全体で協力することで施設との相乗効果も相まって、祭礼や芸能、行事の継承、振興を図ることが見込まれ、関係する神社や地域の活性化、再生を期するものと判断した。

拠点となる支部・神社概要

三次支部

支部長 佐々木 潔

①支部神社数 71社 内本務神社 17社 ・兼務神社 54社

②支部神職数 36人 内専任神職 28人・兼職神職 8人

③支部の社会環境

三次支部のある広島県三次市は、広島県北部に位置し、北には中国山地の豪雪地域、南には平坦な農業地帯を有する。隣接する庄原市とともに備北地方とも呼ばれる県北地域の中核となる都市である。

人口は5万1千人で年々減少しており、14歳未満の若年人口割合は低下し、一方で65歳以上人口の割合(高齢化率)は35%を超えて増加して県や国を大きく上回る水準で推移し、過疎と少子高齢化に直面している。

広島県神社庁教化委員会が実施した平成26年の調査では、48%の宮司が「後継者がいない」あるいは「未定」と回答しており、また多くは氏子世帯が500戸未満の規模の小さな神社であり、今後の神社の護持運営には大きな困難が予想されている。

支援対象とする神社概要

・太歳神社

旧社格 村社

鎮座地 広島県三次市三次町1111

氏子数 1,200世帯 4,000人

神職数 3名

宮司 小原 広教(専任神職)

生年・年齢 昭和26年生まれ 70歳

年間の祭祀祭礼・行事予定 歳旦祭、元始祭、とんど祭、建国祭、夏祭、秋祭・神輿渡御

・宗像神社

旧社格 村社

鎮座地 広島県三次市三良坂町灰塚字流田550-2

氏子数 80世帯 120人

神職数 1名

宮司 佐々木 潔(専任神職)

生年・年齢 昭和19年生まれ 77歳

年間の祭祀祭礼・行事予定 歳旦祭、祈年祭、春祭、例祭、新嘗祭

活動方針(支援予定の内容)

①これまでに支援した内容

特になし。

②期間中の具体的な支援予定の内容

人的支援の実施・行政や企業、各種団体と神社との橋渡し。

③目的

過疎化や少子高齢化によって、神社運営が厳しさを増す中にあっては神社同士の結束こそが肝要であって、支援対象となる2つの神社で計画される神事・行事を通して、支部神職が結束し、企画立案、人的派遣等の分野で応援してゆくことにより、対象神社のみならず支部全体が前向きに神社の護持運営に取組むことができる体制づくりを図ってゆければと考えている。

活動計画

1年目

太歳神社は、妖怪に因んだ授与品の開発やHP・SNSを活用した情報発信のためのプラットホームの整備。

宗像神社においては、氏子や学識経験者等でつくる実行委員会を立ち上げ、当神社に伝わる祭祀や芸能についてのシンポジウムを開催する他、2年目、3年目に実施する予定の事業についての準備を進める。

2年目

太歳神社は、「病が流行ったら私の絵を見せろ」と言ったと伝わる妖怪「アマビエ」の古伝承に因んだ子供対象の妖怪絵画コンテストなどの行事を、夏祭の輪くぐり、秋祭りなどの時期にあわせて実施する。

宗像神社は、ダム建設による集落水没で途絶えている祭事「亥の子まつり」を復活させる。

3年目

太歳神社は、地元に伝わる妖怪伝説に由来する「祟り石」までの体験登山を実施するとともに、登山後には妖怪除けの清祓いを受けて神事への理解を深めてもらう。

宗像神社は、農業祭祀である「花田植え」や「清めの神楽」を復活させて、神社活性化につなげてゆく。

備 考 第2期過疎地域神社活性化推進施策【施策2】推進拠点(令和3年~令和6年6月末日)
  (令和5年2月現在)

 

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