過疎地域神社活性化への取り組み

海士潜女神社

令和6年05月10日

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通 称  
鎮座地 三重県鳥羽市国崎町312
旧社格 村社
本務兼務の別 兼務
氏子数 91世帯 252人
神職数 2名
宮 司 大田 清博
選定理由

神宮奉納の熨斗アハビ作りを担っている地域。

例祭にあわせ行われる祭礼行事が、過疎と人口減少により担い手不足となり氏子だけでは行えず、2~3年の間皇學館大学生に協力を仰ぎ執り行っているが、学生を指導する氏子が後継者不足に陥っている。今後行えるのかどうか難しい。宮司はこの制度について積極的であるが、地元関係者の説得に時間を要したため報告が遅れた。第1期の事例を参考にしながら、まず地元固めを行い氏子の人たちの意識向上を目指したい。宮司は、兼務である。

神社の由緒と概要

「かづく」「くぐる」は共に「海に潜って魚や貝を採る」という意味を持つ。祭神は潜女神、すなわち海女の祖である「お弁」とされている。

天照大神を伊勢に遷して神宮を建てた倭姫命は、舟でこの国崎の地を巡見し、海女が貝を採っているところを見た。興味を示した命は、近くで貝を採っていた女に何を採っているのかを訪ねた。すると、お弁というその女は、自分たちが採っているのは鮑という貝であると答え、それを命に献上した。賞味した命はその美味さに驚き、さっそく伊勢に遷した神宮に神饌として毎年奉納するよう命じた。さらに生のままでは腐りやすいため、鮑を薄く桂剥きにしたものを真っ直ぐにして干したものを奉納することとした。これが熨斗鮑の始まりとされ、現在でも国崎町では伊勢神宮に奉納する熨斗鮑が特別に作られており、その製造過程は県の無形民俗文化財に指定されている。

伊勢神宮との関係の深さもさることながら、この神社は「海女の守り神」として近隣の従事者から崇敬を受けてきた。特に潜水作業時に起こる目まい除けは有名で、現在では海女に限らずダイバーなど潜水作業を行う職種全般に信仰は広まっている。これはともかづきという妖怪から身を守るためのものであるといわれている。

年間の祭祀祭礼・行事予定

元旦祭(1月1日)、神祭 弓引き神事(3日)、大般若貝(7日)、梼祭 祈年祭(大祭)(2月24日)、氏神者例祭(大祭)(7月1日)、天王祭(13日)、施餓鬼会(8月13日)、万度迎え祭・二船殿入祭(11月21日)、二船祭(23日)、二船殿修祭(24日)、梼祭(12月21日)、年越祭(12月31日)

活動方針(将来の展望)

士潜女神社は、倭姫命に「あはび」を献上したといはれる伝説の海女「お弁」潜女神をお祀りをしており、海士潜女神社の鎮座する国崎は、伊勢神宮に「のしあわび」を2千年以上献上する伝統の地である。

現在の国崎は、少子高齢化が進む中、「のしあわび」を調製する人材の減少問題や伝統的な祭礼の「二船祭り」・「八幡祭」を担当する人材不足で、祭礼の継続が難しくなっている。

神社及び地域全体の閉塞感を打開するには、海士潜女神社や鎮座する国崎を、ホームページなどで発信し、町外からの参拝者を呼び込み活性化を図り、地域の人々の誇りややる気を助長する。

活動計画

1年目

祭礼の現状を把握する。(二船祭り・八幡祭など)

必要な支援を確認する。(※ホームページを作製し発信する)

2年目

支援活動の具体策を決め、活動を実施開始する。

3年目

支援活動実施後の成果を確認し記録・検討する。

今後の課題について、検討する。

無形民俗文化財指定 指定なし
備 考 第2期過疎地域神社活性化推進施策【施策1】指定神社(令和3年~令和6年6月末日)
  (令和5年2月現在)

 

この神社のその他の事業