執行日時
2月第3日曜
文化財指定
指定なし
祭礼行事の概要
安波祭(あんばまつり)は、豊漁と海上の安全を祈る苕野神社の祭礼である。元々は旧暦の1月24日に行われていたが、近年では2月の第3日曜日に行われるようになった。苕野神社は、大変歴史の古い神社で、昔は海上の小島にあったと伝えられているが、現在では請戸地区の海岸にほど近い松林の中にある。古くから豊漁・海上安全・豊作の神様として、地区の人々の信仰を集めている。
祭の当日は、神社から金銀の御幣をもった奉賛の行列に続き、神輿が集落を巡り歩く。また、小学生が花笠をかぶった踊り子の姿で、「歌い婆さま」の歌にのって大船主の家々を回り歩き、田植踊りをおどる。やがて、これらの行列は砂浜に作られた「おこや」と呼ばれる祭壇に着く。紅白の幕の中に神輿をおき、神事が執り行われ、神楽、田植踊りがささげられる。
また一方では、若者が「安波、安波」の勇ましいかけ声で、「樽神輿」を担いで集落をねり歩く。そして浜に着き、冬の冷たい海へ入る。大うちわを先頭に、波しぶきの中で大暴れしたあと、海水でずぶぬれとなって砂浜に上がってくる。最後に、潮水をくんで、その水のにごり具合でその年の豊漁と豊作を占い、祭は終わりとなる。
活性化の目標
震災前も少子高齢化により氏子減少の傾向にあったが、東日本大震災により全氏子区域が津波により壊滅的な被害を受け、その後の原子力災害による長期避難、復興の遅れなどから大部分の氏子が新たなる定住先で生活再建を行っており、今後氏子の帰還がほとんど望めない厳しい現状にある。
上記の理由により急激な過疎化地域になってしまったが、神社と氏子を繋ぐために復興祈願祭、例祭(安波祭)の執行、伝統芸能(田植え踊り、神楽)の奉納、披露などを行い氏子と神社との関係を持続されるよう活用してゆく。
神社祭礼を通して県内外に離散した氏子の出会いの場が神社になるよう、また地域コミュニティの再興に神社が携われる形を模索。
※現状の活動内容を過疎化対策の事業にするには難しい面があり目標・計画をどのように立ててよいかわからない。
最終年内容に変更あり。
東日本大震災原子力災害からの復興を目指し、地域の環境の変化に臨機応変に対応し地域住民の帰還が進まない中で、地域の人々の心の拠り所である神社と避難氏子の繋がりを切らすことのないよう神社の祭礼を通して地域コミュニティの再興を図る。
コロナ禍の中で建設が延期となった「合祭殿」の実現に向け、氏子が帰還できない神社への信仰を絶やさず、神事や伝統芸能を未来へ繋いでゆくべく神社庁、支部神職、地域神社関係者とコミュニケーションを図り、建設に向け取り組んでゆく。
3年間の活動計画
・1年目
・2年目
・3年目
3年間の活動内容
・1年目
・2年目
東日本大震災津波、また原子力災害により、全氏子が強制避難を強いられたため、急激な過疎化が進み避難指示解除後も氏子の帰還が叶わない状況にあり神社での祭礼を通して、県内外にバラバラとなった氏子の壊れかけたコミュニティの再興や地域共同体の再生を目指した事業(神事)を実施した。
・3年目
原子力災害により、住民の帰還が進まない浪江町鎮座苕野神社、初發神社の例祭斎行、伝統芸能の継承、後継者育成に向け支援を実施。
コロナ禍により祭礼の規模の縮小、各種会合や伝統芸能の練習や育成ができない状況になり、充分な成果を果たせなかった。
浪江町及び隣接する「福島県復興祈念公園」内に原子力災害で帰還困難区域に指定され、祭りの継承が困難な神社の分霊を合わせ祀る「合祭殿」建設事業に向け、関係機関と連携を図り、準備を整え令和3年8月の竣工を目指し、事業を進めている。
3年間の活動終えて
1、3年間の活動全般について
①3年間の活動について満足していますか。
満足していない。
原子力災害からの復興の難しさとコロナ禍により思うように活動ができない。
2、活動計画とその成果について
①最終的な目標は達成できましたか。
達成できた。
②1年目に立てた活動計画に変更はありましたか。
あった。
③活動成果として増加したものはありましたか。
協力者数。
④祭礼行事の活性化について、3年間の活動を通して祭礼行事の斎行に変化はありましたか。
あった。
⑤3年間の活動を通して、祭礼行事の継承・復興に向けて、今後の目途は立ちましたか。
立った。
⑥支部内や近隣神社との協力体制の構築はできましたか。
できた。
⑦指定地域神社間の神社役員・総代・氏子崇敬者の共同組織の結成、神職以外の関係者または外部団体との連携等他団体との協力体制の構築はできましたか。
今後検討したい。
⑧その他3年間の成果があれば記載して下さい。
⑨3年間の反省点や改善点があれば記載して下さい。
3、今後の展望及び計画について
①指定期間終了後の活動について力を入れてゆきたいことはありますか。
祭礼行事の活性化・地域との連携。
②指定期間終了後の体制について要望することがあれば記載して下さい。