過疎地域神社活性化への取り組み

轟神社秋季例大祭(とどろきじんじゃれいたいさい)

徳島県 徳島県神社庁海部支部 平成30年~令和2年実施

令和6年04月25日

 

執行日時

11月13日

文化財指定

指定なし

祭礼行事の概要

 【御参考】轟神社ホームページ

 https://todorokijinja.jp/reitaisai/

活性化の目標

中心神社が限界集落に存在するため(将来消滅)、広く県内外からの崇敬団体、崇敬者を増加させる。

3年目記入

基本目標に変更はないが新型コロナウイルス感染が広がり実施が困難になった。

昨年(令和2年)当初から、新型コロナウイルス感染が日本中に広がり、徳島県及び徳島県海部郡海陽町の集団行事の行政指導として、神社で最も重要な祭祀が例年の計画通り斎行することができなく、令和2年に入り感染が全国及び徳島県でも広がった。神社庁も感染の防止上、祭祀をはじめ全国の神社の神事の縮小、簡略化、中止などでかつてない異常な事態が生じた。

海陽町平井地区の中心神社である轟神社においても、伝統的な祭祀(神輿の轟本滝への渡御)が中止されて、神事を極端に縮小せざるをえなかった。それにともない祭日の参拝者も激減するとともに、コロナ感染防止のため令和2年は神社周辺の駐車場の閉鎖などにより、県内外からの参拝者、観光客が激減した。このことにより神社収入も一層きびしく、平井地域の人口の激減と超高齢化の氏子にまったく依存できない神社として大変厳しい状況におかれている。

3年間の活動計画

・1年目

崇敬者の中からリーダー(これまでの先達者)を養成し、崇敬団体を増加させる対策。

・2年目

崇敬者層を老人層から壮年層、青年層を増加させる。

・3年目

崇敬者、崇敬団体の数を増加させる。

海陽町当局の観光開発不充分なため陳状。

3年間の活動内容

・1年目

例祭の案内、祈願者の礼状、神輿を担ぐ崇敬者に轟名入りTシャツ貸与。参拝者への年賀、暑中見舞送付、崇敬団体のリーダー(先達)に轟神社名入りの半纏貸与、撤饌の工夫。

・2年目

1、先達の養成。

2、責任役員、総代を地域の氏子から広く海陽町民の中から選出。特に海陽町で活動し、指導力のある壮年期の者を任命。

3、広報活動を広げる。

①東京オリンピック、パラリンピックのエンブレム(標準)作者 野老朝雄氏、当神社参拝の折、「轟」の文字をデザインしてもらい、神社紋として神輿担ぎ手の装束、手拭に入れた。さらに新しい肌守にも轟神社紋として入れる。この社紋を記念として、境内に石碑建立。

②野老氏の作品の「轟」神社紋をTシャツ、タオルに入れ、クラウドファンディングで祭礼の資金の一部として全国から集める。

①、②は地元新聞にも掲載され、広報され、神社の広報に役立った。

③①、②は、地元海陽町の広報にも役立った。

4、神社の修理…御神札配札所、宿泊所の修理。

・3年目

新型コロナウイルス感染の県内外への広がりにより計画通りに実施できなかった。

①女性参拝者の増加 宮司の長男が横浜市から海陽町に帰省し、辺境の轟神社に住み込み、常に神社に神主が在住していることの効果は大きい。特に海陽町地域の神社総代や地域住民との常時の交流の効果もあった。特に最近、「朱印帳」と「滝めぐり」ブームで若い人たち(主として女性)は辺地の轟神社に参拝し、神社の主祭神が水波女命で女神であること、伊勢神宮の天照皇大神、宗像大社・厳島神社の祭神も女性であり、神社は日本古来より男女平等であることなど新しいこれからの崇敬者増に繋げるのではないかと考える。

②先達の養成(先達が引率して参拝) 毎月参拝3組、年2~3回の参拝の十分な成果は上がっていない。

③広報活動 神社の諸行事など報道関係を通じ広報。

海部川流域の休耕田を利用し総代たちが中心となって神饌米、神酒作り(神田祭など)轟神社の米、瀧水で神酒をつくる。

④若い総代、崇敬会がクラウドファンディングで東京オリンピック、パラリンピックの記章をデザインした野老朝雄氏にデザインしてもらった藍色で「轟」の文字を染め抜いたTシャツ、タオルを作製して全国に広めた。また、神輿の担ぎ手の装束も野老氏がデザインした「轟」の文字を入れ広報した。

⑤ご神域の轟神社の本滝上流に大規模な風力発電設置工事に神社地域あげて反対運動。長年にわたりご神域の滝や海部川は汚濁したり、低周波の被害や貴重な動植物にも影響して被害が発生する。海陽町・那賀町挙げて町及び住民が反対している。

3年間の活動終えて

1、3年間の活動全般について
①3年間の活動について満足していますか。

満足していない。

新型コロナウイルスの感染で神社の諸行事を実施するのが困難であった。

2、活動計画とその成果について
①最終的な目標は達成できましたか。

達成できなかった。

新型コロナウイルス感染が全国的に広がり、遠隔地からの参拝が急減した。

②1年目に立てた活動計画に変更はありましたか。

あった。

新型コロナウイルスの感染の広がりで神事をはじめ諸行事を縮小または廃止した。

③活動成果として増加したものはありましたか。

特になし。

・その要因について

すべて新型コロナウイルスの感染の広がりとその対策が原因。

④祭礼行事の活性化について、3年間の活動を通して祭礼行事の斎行に変化はありましたか。

あった。

新型コロナウイルスの感染防止対策による諸行事(特に集団行事)の中止。

⑤3年間の活動を通して、祭礼行事の継承・復興に向けて、今後の目途は立ちましたか。

立たない。

新型コロナウイルス感染が収束しなければ、計画実行困難。

⑥支部内や近隣神社との協力体制の構築はできましたか。

希望しない。

極めて小規模の神社であり、その必要はない。一族3名の神職で十分である。

⑦指定地域神社間の神社役員・総代・氏子崇敬者の共同組織の結成、神職以外の関係者または外部団体との連携等他団体との協力体制の構築はできましたか。

希望しない。

極めて小規模の神社であり、その必要はない。一族3名の神職で十分である。

⑧その他3年間の成果があれば記載して下さい。

若い総代たちの団結は、コロナ禍により強まった。 

⑨3年間の反省点や改善点があれば記載して下さい。

高齢化時代にあった対策として、地域の少数の若い年齢層を神社の祭礼行事に参加させるかが課題。具体例として、轟神社の秋季例祭に海部高校生の文化行事である「海南太皷」を参加させる計画進行中。

3、今後の展望及び計画について
①指定期間終了後の活動について力を入れてゆきたいことはありますか。

地域の新聞の広報活動・東京オリンピック・パラリンピックの標章(記章)製作者野老朝雄氏が当神社を参拝し、轟神社の「轟」の文字をデザイン化して戴き、神輿の担ぎ手の装束、手ぬぐいにデザインした文字を入れた。若手崇敬者たち(神輿の担ぎ手)により神社の「神酒」づくりを実現した。(酒米づくり、轟ノ滝水を神酒に使う)田植祭。(神田祭)

②指定期間終了後の体制について要望することがあれば記載して下さい。

極端に過疎化してゆく地域の神社活性化のため、物心両面の支援を神社庁にお願いしたい。

 

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