過疎地域等神社活性化への取り組み

例大祭(れいたいさい)

北海道 北海道神社庁札幌支部管内 浜益神社 平成30年~令和2年実施

令和6年04月19日

 

執行日時

7月15日

文化財指定

指定なし

祭礼行事の概要

縁日並びに神輿渡御

活性化の目標

祭礼維持、復活を図り、祭祀・伝統行事を継承発展させ、地域の文化を守る。

3年間の活動計画

・1年目

神輿会の設立。担ぎ神輿の復活や新たな神賑行事の模索。

・2年目

担ぎ神輿や神賑行事の充実と定着化。 

・3年目

持続的な祭として地域と連携し、地域の活性化と文化を守る。

3年間の活動内容

・1年目

日時 平成30年7月14日・15日

場所 石狩市浜益区 浜益神社・きらり特設会場

事業内容

①遙拝所設置(14日)

高齢化とお宮の地理的位置に鑑み、地域商店街にある「きらり」に遙拝所を設置し、参拝者の便宜を図り、実質70人程度の参拝者実績となった。(前年度30人程度)

手稲神社より賽銭箱の寄贈を受け、当日設置させて戴いた。

②神輿会設立・担ぎ神輿復活(15日)

6月8日に「浜益神社神輿会」を会員26人で設立し、本務神社神輿会「伊邦会」の協力を得て練習を重ね、神輿担ぎ棒、袢纏等担ぎ手装束を新調して準備を進め、宵宮祭では会長が参列して神輿会設立の奉告祭と渡御の安全を祈願した。

例祭渡御当日、どしゃ降りの雨となったが、浜益神社神輿会会員24名全員と支援に全道から集まった他神輿会23団体106名の担ぎ手により、9時過ぎより発御祭斎行の後、浜益神社神輿会松比良頭の拍子木により宮出し。平成の御代、最初で最後の渡御を担ぎ手全員がびしょ濡れになりながら、浜益漁港までの約3kmを2時間半かけて勇壮に渡御。差すこと6度、振る舞いを受けること4回。沿道に集まった氏子崇敬者から50数年ぶりの拍手と参拝を受けた。その中には、石狩市本町、札幌市から来訪した方や元村民の人々も多く、かつてのニシンが捕れた頃の賑わいを感じたと喜ぶ人のカラフルな傘が沿道を埋めていた。

当日予定していた海上渡御はシケのために中止を余儀なくされたが、漁協での御旅所祭の後、神輿のワラビ手・飾り綱に付けられていた鏑矢4本を宮司が弓で射る「福矢の神事」を集まった200人の氏子の前で執り行い、見事矢を手にした人たちからは満面の笑みがあふれ、大きな拍手を受けていた。

その後、行われた直会で挨拶に立った田中浜益神社神輿会会長は、集まった担ぎ手全員に謝辞と今後浜益地区の伝統行事として継承してゆくことを誓い上げ、来年以降の協力を呼びかけ、全員を握手で見送った。

後日、他会参加者からは、「どしゃ降りの雨で全身びしょびしょとなったが、心に残るよい渡御だった」、「浜益神社や地域にとっても価値ある担ぎ神輿の復活をお手伝いができて光栄です」といった声が多く寄せられた。

明治・大正・昭和戦後まで続いた担ぎ神輿は、神輿会再興と多くの担ぎ手達により、平成の時代をも継承することができ、歴史を重ねることの意義とその努力を続けることの重要性をそれぞれに感じる渡御となったと確信する。

③奴保存会支援

本年は、日曜開催のため人員の確保の面では問題なく全員が参加できた。

札幌の旅行会社により、奴行列参観ツアーが企画されたが、当日の豪雨で予定変更となった。渡御との一体感を維持するために奴奉仕員にも記念の木札が配布されたが、今後は平日開催に向けた対策を検討する。

④余興等神賑行事の充実と地域青年による地域活性化を図る事業

イ、北海道神宮雅楽部の協力を得て、巫女舞と神楽の演奏会を浜益地区で初めて開催した。14日午後5時からきらり特設ステージでの開催となったが、雅な音色を多くの聴衆が聴き入り楽しんでいた。その後、浜益を初めて訪れることとなった巫女と宮司のトークショーが行われ、舞姫と氏子の距離を縮めることができ、巫女舞や雅楽の音色を通して神道や伝統文化に親しむことができた。

ロ、浜益豊漁太皷の演奏が、地元青年によって披露された。昨年まで一地域の伝統芸能であったが、今年から地域全体として取組むよう組織替えをして人口減少が続く中でも人員を確保し継承するための対策を講じた。更には今後の発展のために、今年から子供の育成にも力を入れ、市の補助を活用して太皷を新調し子供太皷を新たに設立させた。聴衆約300人の前で夕日が沈む水平線に向かって太皷の響きを轟かせた。

⑤記録作成

今回の神輿会設立の様子や当日の記録として、石狩はまなす社會の協力を得て、DVDとして保存することができた。

今後の課題

設立された神輿会は今後練習を重ね、他会との連携や行事参加で会としての纏まりを強め練習を重ねて成長してゆくことを会員相互に確認し合っている。このことが浜益神社の神事継承と地域伝統文化進展のための組織体として地域振興に寄与するものと確信する。今後はお宮と氏子の絆を深め一体となった地域振興・経済効果創出のための取組みを期待したい。

秋には来年度に向け企画会議を開催する予定である。

最後に

今回の事業実施に当たっては、神社庁・札幌支部始め北海道神宮・手稲神社の協力を得て成功裏に実施できたことを心から感謝申上げる。今後は神社庁主導の下、疲弊する地域が気概を持って地域のために立ち上がることを期待したい。

・2年目
日時 令和元年7月14日・15日

場所 石狩市浜益区 浜益神社・きらり特設会場

事業内容

①遙拝所設置(14日)

高齢化とお宮の地理的位置に鑑み、地域商店街にある「きらり」に遙拝所を設置し、参拝者の便宜を図り、実質100人程度の参拝者実績となった。(前年度70人程度)

②神輿会設立・担ぎ神輿復活(15日)

昨年6月8日に「浜益神社神輿会」を会員26人で設立し、今年で2年目。本務神社神輿会「伊邦会」の協力を得て練習を重ね、他会への神輿も積極的に参加し交流を深めお祭りに臨んだ。

例祭渡御当日、昨年はどしゃ降りの雨での渡御だったが今年は晴天に恵まれ、浜益神社神輿会会員24名全員と支援に全道から集まった他会神輿会28団体112名、昨年を上回る担ぎ手により、9時過ぎより発御祭斎行の後、浜益神社神輿会松比良頭の拍子木により宮出し。令和最初の渡御を浜益漁港までの約3kmを2時間かけて勇壮に渡御。差すこと6度、振る舞いを受けること4回。沿道に集まった氏子崇敬者から拍手と参拝を受けた。その中には、石狩市本町、札幌市から来訪した方や元村民の人々も多く、かつてのニシンが捕れた頃の賑わいを感じたと喜ぶ人が沿道を埋めていた。

浜益漁港到着後、海上渡御を行い、担ぎ手・奴達が神輿ともに大海原へ駆け抜けた。その後、神輿のワラビ手・飾り綱に付けられていた鏑矢4本を宮司が弓で射る「福矢の神事」を海上より集まった200人の氏子の前で執り行い、見事矢を手にした人たちからは満面の笑みがあふれ、大きな拍手を受けていた。

その後、行われた直会で挨拶に立った田中浜益神社神輿会会長は、集まった担ぎ手全員に謝辞と今後浜益地区の伝統行事として継承してゆくことを改めて誓い、来年以降の協力を呼びかけ、全員を握手で見送った。

昨年に引き続き行われた担ぎ神輿は地域の確かな行事となりつつある。そして他の地域の神輿會も浜益地区のお祭り、さらには浜益神輿會との繋がりを通して深いご縁を結ばれたことを強く感じることができた。

③奴保存会支援

札幌の旅行会社より、奴行列参観ツアーが企画され、当日約40名のツアー客が奴行列を観覧した。渡御との一体感を維持するために奴奉仕員にも記念の木札が配布された。

④余興等神賑行事の充実と地域青年による地域活性化を図る事業

浜益豊漁太皷の演奏が、地元青年によって披露された。一昨年まで一地域の伝統芸能であったが、昨年から地域全体として取り組むよう組織替えをして人口減少が続く中でも人員を確保し継承するための対策を講じた。更には今後の発展のために、今年から子供の育成にも力を入れ、市の補助を活用して太皷を新調し子供太皷を新たに設立させた。聴衆約300人の前で夕日が沈む水平線に向かって太皷の響きを轟かせた。

地元青年より、松前神楽を神賑行事として行いたいと申入れがあった。浜益に移り住む前は渡島地方の港町に住んでいたらしく、その文化もこの浜益の地に広げてゆきたいとお話を受けたので、来年度に向けての一つの案として報告する。

今後の課題

昨年設立された神輿會は練習を重ね、他会との連携や行事参加で会としての纏まりを強め成長してゆくことを会員相互に確認し2年目も無事に終えることができた。このことが浜益神社の神事継承と地域伝統文化進展のための組織体として地域振興に寄与するものと確信する。また、昨年は本務社主導で行っていたが、今年は地元青年会より自分たちの伝統文化を自ら創り上げてゆきたいという意気込みも聞こえてきた。さらに祭期間だけではなく、年間を通した繋がりを深めることによって、お宮と氏子の絆を深めるとともに他地域との交流人口を増やし地域振興・経済効果創出を期待する。

最後に

今回の事業実施に当たっては、神社庁・札幌支部の協力を得て成功裏に実施できたことを感謝申上げる。今後も神社庁主導の下、疲弊する地域が気概を持って地域のために立ち上がることを期待したい。

・3年目

3年間の活動終えて

1、3年間の活動全般について

①3年間の活動について満足していますか。

満足している。

新規事業を行う際の金銭支援がありがたかった。

2、活動計画とその成果について
①最終的な目標は達成できましたか。

達成できなかった。

最終年度、コロナ感染症により、神事のみしか行うことができなかった。

②1年目に立てた活動計画に変更はありましたか。

なし。

③活動成果として増加したものはありましたか。

協力者数。

・その要因について

神輿会の発足。

④祭礼行事の活性化について、3年間の活動を通して祭礼行事の斎行に変化はありましたか。

あった。

担ぎ神輿の復活。

⑤3年間の活動を通して、祭礼行事の継承・復興に向けて、今後の目途は立ちましたか。

立った。

⑥支部内や近隣神社との協力体制の構築はできましたか。

今後検討したい。

⑦指定地域神社間の神社役員・総代・氏子崇敬者の共同組織の結成、神職以外の関係者または外部団体との連携等他団体との協力体制の構築はできましたか。

できた。

⑧その他3年間の成果があれば記載して下さい。

 

⑨3年間の反省点や改善点があれば記載して下さい。

 

3、今後の展望及び計画について
①指定期間終了後の活動について力を入れてゆきたいことはありますか。

神社関係組織の確立・地域との連携。 

②指定期間終了後の体制について要望することがあれば記載して下さい。
 

この神社のその他の事業