神さまと人々が一体になる「渡御祭」

各地の神社では、お祭りに伴い神輿や山車(だし)の渡御(とぎょ)が行われています。

この時には、神社にお鎮まりになっている神さまが神輿や山車にお遷りになり、氏子の手により氏子地域を巡幸していきます。
このお祭りにより神と人とが一体となり、人々はお祭りを通じて活力を取り戻し、神さまもこうした人々の姿を見て喜び、渡御する地域の各家々に御神徳を与えてくださると信じられています。

渡御祭は、それぞれの神社により性格も異なりますが、大きく以下に分類することができます。

  1. 神さまが初めてその神社に迎えられ、祀られるようになった事跡や歴史的な事実を振り返り繰り返し祝うもの
  2. 氏子地域や神さまに縁のある地を巡るもの
  3. 神さまのみこころを慰めるために行うもの

土地によりさまざまな渡御祭を斎行

各地で行われる渡御祭ですが、地域によりさまざまな特色がみられます。
例えば、神輿に山車や屋台が伴って巡幸する「祇園祭」、海浜や川辺などを渡御する「浜降祭」や「神輿洗い」、神輿を船にのせて海上や川を渡御する「御船祭」など数々の雄壮な祭りがあります。

祗園祭の様子

各地で行われているこうしたお祭りを見ると、お祭りを通して地域が活力で満たされる伝統は、今も変わらず受け継がれていると感じます。
お住まいの地域の神社のお祭りへも足を運んでみてはいかがでしょうか。

用語解説

京都・八坂神社で疫病退散のために御霊会を行ったのが始まりとされる。御霊信仰が広まり、現在、日本各地で6月から7月頃に斎行される。

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