31 船の門出

sinsuishiki

 造船台やドックなどで新しくつくられた船をはじめて水の上に浮かべる時には、一般的に盛大な進水式や造船竣功祭、新船祝などが行われ、航海の安全や豊漁が祈念されます。
 現代の進水式では一般的に、神職がお祓いをし、祝詞を奏上した後、命名の儀式が行われ、忌斧(いみおの)で支綱(しこう)を切断します。
 船に命名をするという慣例は古く、『日本書紀』応神天皇五年の条に、伊豆国でつくった船を「枯野(からぬ)」と名付けたという記述が見られます。

 日本では古くから、船の守護神、あるいは船そのものの御霊(みたま)として、船霊(ふなたま)、船神(ふながみ)、御船様(おふなさま)などと呼ばれる神様が大切に信仰されてきました。
『續日本紀』天平宝字七年(763年)八月条にも、高麗から帰国途中の船「能登」が嵐で漂流した際に、船霊に祈り無事到着したという記述があります。
 一般的に、艦艇や漁船などの内部には神棚が祀られ、船の中央部分に御神体が納められる場合もあります。

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