30 柏餅

kashiwamoti

 端午の節句を彩る柏餅。
 あんこの入ったお餅をかぐわしい葉で包んだ柏餅が、広く食べられるようになったのは、江戸時代中期以降といわれています。
 柏が用いられるいわれには諸説ありますが、柏の木が古い葉を枝につけたまま越冬し、新芽が育つまでそれを落とさないことから、「家系が途切れない」「子孫繁栄」という縁起をかついだものとも考えられています。
 柏の葉は古くから、食べ物を盛ったり、包んだりすることに用いられてきました。『古事記』に、以下のような一節があります。

  天皇、聞看豊明之日、於髪長比売令握大御酒柏、賜其太子

 応神天皇が酒宴で、髪長比売(かみながひめ)に御酒(みき)のはいった柏の葉を持たせて、皇太子に賜ったというものです。
 また、神事においても、柏の葉を十枚ほど並べ重ね、細い竹でとじたものを神饌(しんせん=お供え物)の器にするという古の手ぶりが、文献などに記され現代に伝わっています。
※参考文献 『古事記』(小学館・平成9年)

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