10 丑のはなし

201230 usi平成21年は「丑(うし)歳」です。

牛と人との出会いは遥か八千年の昔、私たちの祖先が野生の牛を捕え、家畜として飼育したことに始まるといわれています。

馬と同じく、牛が私たちの歴史に、食糧、労働力、衣料、肥料、娯楽など、数えきれないほどの恵みをもたらした動物であることは、いうまでもありません。

弥生時代の代表的な集落址である「登呂遺跡」からは牛の骨が発見され、すでにこの時代、牛は家畜として、日本国内で飼育されていたのではないかと考えられています。

『日本書紀』には、牛にまつわる記述があります。

天照大御神の詔によって、保食神(うけもちのかみ)を訪ねた月夜見尊(つくよみのみこと)は、その神が口から食物を生むお姿を見て、けがらわしいと言って保食神を殺してしまいます。
それを知りお怒りになった天照大御神(あまてらすおおみかみ)が、天熊大人に保食神の様子を見に遣らせたところ、その亡骸からは、五穀のほか、繭や牛馬が生まれていました。
これをうけ天照大御神は、広く農耕、養蚕、畜産の道をお示しになられました。

日本列島に日本人の祖先が生活をはじめ、国としてまとまりはじめたころ、牛馬がいかに重要な役割を果たしていたか、考古資料と文献資料とが、それを今に伝えています。
また、天満宮では、牛は御祭神菅原道真公(すがわらのみちざねこう)と所縁の深い神聖な動物として大切に扱われています。
私たち日本人にとって牛は「長い間生活をともにしてきた家族」のような動物です。

丑の年にあたり、家族から戴いてきた大きな恩恵に思ひを致し、日本人らしい思いやりの心を暖めていきたいものです。

平成20年12月20日

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